【ざっくり解説】DNAとは何なのか?

ニュース・ドラマなどで、おそらく誰もが一度は聞いたことがある「DNA」というワード。

とはいえ、「DNAとは何か?」と聞かれても、生物学を勉強していないとそのイメージは湧きにくいのではないでしょうか?

このページでは、そんなDNAの働きなどをざっくりと解説していきます。

DNAは4種類のパーツが連結してできたものです。

「DNA」とは何なのかを簡潔に説明すると、「4種類のパーツが長く連結したもの」といったところでしょうか。

身近にあるもので考えるなら、ビーズアクセサリーのようなものをイメージをしていただくと、分かりやすいかもしれません。

ビーズアクセサリーの場合、どのパーツを、どのぐらいの長さまでつなげるかで、最終的な見た目が変わってきます。

それと同じように、DNAも4種類のパーツを並べてつなげていけばオーケーで、どのパーツをどのぐらいの長さまで並べるかで、最終的な完成物に違いが出てきます。

ちなみに、上の図では4種類のパーツを1個ずつ連結してDNAをつくっていますが、実際の生物が持っているDNAはもっと長いものになります。

ドラマで耳にする「DNA鑑定」とは?

刑事ドラマなどでは、DNA鑑定が出てくるシーンをよく見かけます。

ところで、刑事ドラマなどでときどき「DNA鑑定」などの言葉を聞くことがありますよね?

現場から検出されたDNAをいろんな人のDNAと照合して、一致した人が犯人の可能性大というやつです。

DNAが4種類のパーツの組み合わせということさえ分かれば、DNA鑑定のおおまかな仕組みが理解できるのではないでしょうか。

同じヒト同士でもわずかにDNAのパーツの並び方が違い、DNAではこれを利用して人物の同定を行います。

かなり簡略化していますが、イヌとヒトでもDNAのパーツが4種類というのは共通しています。

ただし、パーツの並び方が大きく違っていたり、長さが違っていたりするわけですね。

では、ヒト同士でDNAを比べてみるとどうなるかというと、大部分のパーツの並びが同じになるのですが、それでもわずかに違う部分があります。

このように人同士でもDNAがわずかに違うので、誰のDNAが犯行現場などに残されたDNAとピッタリ一致するかを調べれば、事件の捜査に役立つということになります。

現在のDNA鑑定技術では他人同士のDNAが一致する確率は数兆分の一の確率ともいわれており、赤の他人同士でDNAが一致するのはかなりの低確率。

例外は一卵性双生児である場合などで、一卵性の双子は同じ受精卵から生まれていますので、成長の過程でパーツの配列が変わったりしない限りはDNAが完全に一致します。

DNAの役割は?

ヒトの体はタンパク質ができており、DNAはそんなタンパク質の設計図として働いています。

ところで、DNAが生体内で何をしているのかと言われると、「DNAは生命の設計図」として働いていると言われることが多いです。

より具体的には、生命体を構築しているタンパク質の設計図となっているのが、DNAの最も重要な役割だといえるでしょう。

ここで、タンパク質について少し解説します。

髪の毛はタンパク質が何層かに積み重なってできたもので、さらにそのタンパク質はアミノ酸が結合してできたものとなります。

例えば、髪の毛なんかもタンパク質からできていて、いくつかのタンパク質が層状に重なって作られています。

さらにそのタンパク質を細かく見ていくと、アミノ酸がいくつも連結して出来ていることが分かります。

全てのタンパク質はアミノ酸が連結することで作られていて、タンパク質ごとにアミノ酸のつなげる順番やつながっている数が異なります。

アミノ酸を連結してタンパク質を作るときに、DNAがサポートを行います。

アミノ酸は食物の消化・吸収で得ることができ、生体内でこのアミノ酸をつなげることでタンパク質を合成しています。

しかし、どうやって各タンパク質は正しいつなぎ方でつながれているのでしょうか?

実は、タンパク質を作るときのアミノ酸のつなぎ方を指示しているのがDNAで、この役割を果たすことからDNAはタンパク質の設計図であり、生命の設計図と呼ばれます。

DNAとタンパク質合成

タンパク質を合成するときには、作りたいタンパク質の情報を持ったDNAのコピーがまず作られます。

タンパク質合成におけるDNAの役割を具体的に見て行きますと、長いDNAの中にそれぞれのタンパク質の作り方に関わる領域があります。

そして、あるタンパク質を作りたいときには、まず作りたいタンパク質に対応したDNAをコピー。

そこにタンパク質合成装置が近づいてきて、タンパク質合成を開始します。

DNAのパーツは三個一組でアミノ酸の種類を指定しており、タンパク質合成装置が指示された順番に運ばれてきたアミノ酸を連結することでタンパク質が完成します。

どうやってDNA (※コピーされたDNAは実際はRNAとよばれます) がアミノ酸の組み立て順を指示しているかというと、DNAのパーツが3個一組になってアミノ酸を指定しています。

タンパク質合成装置はDNAの指示通りの順番で集まってきたアミノ酸を連結し、タンパク質を組み上げていくわけですね。

もし10個のアミノ酸がつながれたタンパク質を作りたいなら30個のDNAのパーツ、500個のアミノ酸がつながれたタンパク質を作りたいなら1500個のDNAのパーツが必要となります。

もしDNAのパーツの並び方に異常が出たり傷がついたりすると、その部分を利用して作るタンパク質が正しく作られなくなってしまう可能性が浮上することに。

このようなDNAの変異が起こらないように生体内では適時メンテナンスが行われているのですが、生まれつきDNAに変異があって正しいタンパク質が作られないこともあります。

そのような生まれつきのDNA変異による病気は遺伝病、遺伝性疾患などと呼ばれ、根治するには人為的なDNA修復やタンパク質修復が必要となるため、治療法の確立が難しい病気です。

まとめ

今回の解説のまとめです。

DNAとはどういったものなのか、ざっくりとイメージはできましたでしょうか。

生物学を学んでいく上では、
DNAは4種類のパーツが連結したもの
DNAはタンパク質合成においてアミノ酸の連結順を指示している

ということをまず理解しておくと、先の勉強が分かりやすくなると思います。

今後の更新で、DNAのより詳細な構造や働きを紹介するつもりですので、お時間があればお付き合いいただければ幸いです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

またの機会にお会いしましょう。

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